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地方をプログラミングとデジタルツインの力で元気にする!SAWACHIデジタルツイン講座(第3回)を開催



2020年度からプロンプト・Kは「高知県IoPプロジェクト及びIoPクラウド(通称:SAWACHI) 参考URL:https://kochi-iop.jp/」において「IoPクラウド」の開発管理業務を担当しています。同社は実質的な“アーキテクト”として、IoPクラウドのシステム構築及び開発・運用の設計を担当し運用の道筋をつけただけでなく、地元ベンダーを主体としたサステナブルな地域発展を目指した産官学スキームの構築に大きく貢献しています。2022年度からは、IoPクラウドのテストベッド環境を活用し、県内企業が自社のデバイスやシステムに、クラウド通信機能やAPI連携機能を付加させる改良・開発を行うスキル獲得やエンジニアコミュニティの創出を目指す「IoP技術者コミュニティ(高知県サイト)」が設立され、この技術者組織における運営事務局、プログラミング講座製作と運営を担当しております。


第3回SAWACHIデジタルツイン講座(2022年12月16日)の様子


はじめに

 2022年8月の第1回のSAWACHIエンジニア養成講座(講座の記事)からはじまり、今回ついに3回目の開催となりました。今回の講師は、デジタルツインに関連した座学を担当する私と、WebGLに関連したハンズオンを担当する新卒4年目の塚田という布陣です。サポートは、実質的な運営事務局長をやってる岩倉と第2回SAWACHI画像AIセンシング講座で講師を務めた菊永という万全の4名体制で臨みました。

(ハンズオン講師を務める塚田[入社:4年目])


午前(座学)

 今回の第3回SAWACHIデジタルツイン講座は、午前(座学)と午後(ハンズオン/Grpミーティング)の2部構成で開催しました。  午前中の座学では、デジタルツインやIoTを含む総合的な概念である「CPS:CYBER PHYSICAL SYSTEM」から、実際のSAWACHIのデジタルツインの根幹であるデータモデルの解説や、今回のデジタルツインを表現するために採用したOpenGLをWebブラウザで実現する技術であるWebGLについて解説しました。WebGLは本来とても専門的な理解が必要でネット上にある情報も専門的で分かり難いのですが、私たちがエンジニア目線で分かり易くした技術解説は割と好評だったのではないでしょうか。

(施設園芸用ハウス模型を準備する塚田)


この模型には、環境測定装置に相当するゲートウェイ/センサ/ファンが組み込まれており、温湿度計測とファン制御が可能になっています。


(IoT化された施設園芸用ハウス模型)

ゲートウェイ:Espressif Systems社 ESP32

高精度温湿度センサ:SENSIRION社 SHT31

ファン:秋月電子通商で買ったDCファン


ハンズオンでは、IoPクラウドに接続された施設園芸用ハウス模型とそのデータモデル(デジタルツインの仮想世界側)をリアルタイムに連動するだけでなく、実際の圃場を四万十町の高知県担い手育成センターに想定して、同じくIoPクラウドの気象データの活用と、四万十町の地形データを国土地理院の電子国土Webから切り出した地形3Dモデルを複合的にWebGL内で可視化し、温度設定に連動して模型に組み込まれたファンをリアルタイムに制御をするというものです。

(WebGLで3D化された仮想ハウスと手元の模型がデジタルツインにより連動してる様子を説明する、菊永と塚田)


つまり、WebGL上に再現された施設園芸用ハウスのハウス内環境がリアルタイムに可視化され、気象データを活用した外気象の変化が見て取れ、制御設定によって環境制御をIoPクラウドのデータモデルと連動して行うことで、デジタルツインの世界観や技術要素を体感できるという非常にリッチな学習体験ができるハンズオンになっているです。


(温度制御によりデジタルツインが連動してファン制御がされている様子を説明する塚田)


グループセッション

 今回デジタルツインだけでなくReact/WebGLといった先端テクノロジーや地形や気象データを活用する世界観や技術要素は、とても汎用的であり他の一次産業や関連産業に展開できることから、終盤には「SAWACHIのデジタルツインを使った新事業やサービスを考えてみる」という受講者全員が参加するグループセッションを開催しました。4チームの皆さんが真剣に意見を交わす様子に、デジタルツインの活用や未来や可能性について強く感じていただいた結果だと嬉しくなりました。ちなみに、このグループセッションの優秀チームには、鹿児島特産の芋焼酎(ミニチュアボトル[100ml])が進呈されました。受講者の皆さんに、学んだ事を単に理解するだけでなくグループセッションの討議の中でアウトプットすることでよりデジタルツインの将来性について具体的にご理解いただいたのではないかと感じた次第です。


おわりに

 第1回のSAWACHIエンジニア養成講座でIoTデバイスの開発や収集データの可視化からはじまり、第2回のSAWACHI画像AIセンシング講座でIoTデバイスで収集したデータや画像のAI処理を学び、最終となる第3回ではこれまでの技術者講座の内容を活用し、IoPクラウド(SAWACHI)が実現しているサイバーフィジカルシステムの根幹であるデジタルツインをWebGLによる3D可視化によって理解するという流れで締める事が出来ました。

 3回のIoP技術者養成講座の開催を通じて、本来のIoP技術者コミュニティと技術者講座の目的である「高知県における農業関連産業の創出に繋がる人材創出」といった未来に少しだけかもははしれませんが・・・確実に近づけたのではないかと考えています。

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